<テレビウォッチ> 1月8日に始まった第2次補正予算案の本格審議。さっそく定額給付金を巡って民主党の菅代表代行が麻生首相を攻め立てた。
その攻防のやり取りをVTRで見たスタジオのコメンテーターから、「麻生内閣が『さもしい』といわれてしかるべき」と、厳しい批判がさく裂した。
定額給付金を巡って麻生首相は、最初は対象を「全員」と言い、そのうち「高額所得者は遠慮してもらいたい」に。しかも高額所得者がもらうのは「さもしい」とも。そして今は「全員」に逆戻りという迷走ぶり。
で、8日の『菅VS麻生攻防』の一コマを……
菅が「『さもしい』とはどういう意味ですか?」に、麻生は「何となく自分としては目先のことに ガツガツするというイメージがあります」。
続けて菅が「広辞苑にはですね、『卑劣である』と。今でも給付を受けた人の所得が2、3000万円ある場合は『さもしい』と言われるんですね?」。
これには麻生も「最初にできた場合と今では、生活給付金のイメージに加えて消費刺激の必要性、と2つ出てきている状況下にあります。ぜひ高額所得者が頂かれた場合は、それ以上盛大に消費して頂くのが一番正しい」と、曖昧な答えを。
さらに菅が「総理はどうされるんですか?」に麻生は「予算が通っていない段階から、もらう前提で話すのはいかがなものかと思う」と。
スタジオでは、まず村田晃嗣(同志社大教授)が「これが消費刺激になるかどうか大いに疑問。それに『さもしい』という言葉を政治家が軽々しく使うべきでない。言葉に対する責任感が非常に浅い」と、手厳しい批判。
それでも止まらず村田は「法律が通っていない段階で使うかどうか言うのは、いかがなものかというが、法律が通る前に国民に使って下さいと言っているではないですか。こんな無責任な話はない。麻生内閣が『さもしい』と言われてしかるべき……」とも。
大谷昭宏(ジャーナリスト)も「つまり語るに落ちたわけですよ。生活支援も景気対策も、どっちも元は嘘なんですから。なんでもいい。要するにどうやって票に結びつけるかということ……」と斬って捨てた。
100年に1度の危機の中で、頻繁に繰り返す麻生首相の豹変ぶり、軽率な言葉遣い。『矜持』という言葉が好きなようだが、この言葉の意味を知っているのかどうか??