麻生首相、派遣村訪問したらどうなっていたか

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   <テレビウォッチ> 新年、最初の『スパモニ』は、派遣切りで行き場を失った人たちが入り込んだ長く暗いトンネルの話題でスタートした。

鳥越:地方でもっと起きている

   番組がスポットを当てたのは、昨2008年の大晦日、市民団体や労組が合同で東京日比谷公園内に開設した『年越し派遣村』。

   大晦日には139人が入村したが、元旦には一挙に倍近い253人に膨れ上がった。

   当初、傍観していた厚労省も、つい目と鼻の先に開設された派遣村を見かねてか、1月2日から同省の講堂を開放し、253人は暖かい夜を過ごせることに……

   この中には茨城県から歩いてきた人もいるという。入村していた41歳の男性は「捨てる神あれば拾う神あり、今日ほど人の情けが身にしみたことはなかった」と語った。

   さらに4日までに入村登録した人は489人に拡大している。しかし、その一方で派遣村は仕事始めの5日午前9時にタイムリミットを迎え、活動を終了する。

   このため、派遣村の実行委員会は厚労省などと折衝し、都内の公共施設にとりあえず500人分の宿泊施設を確保した。

   500人が行き場を失う状況はとりあえず避けられたが、ここも期限は12日まで。派遣切りにあった、行き場のない人たちの暗くて長いトンネルはまだまだ続く。

   派遣村の実行委員の一人は「ここにいる500人だけでない。路上に放り出された人はまだまだ沢山いる。そういう人たちの受け皿をつくって欲しい。また、派遣社員や期間工の切り捨てを禁止する緊急法を講じてほしい」と、切々と訴えていた。

   作家の吉永みち子は「民間がこういう形で支援しても問題はまったく解決しない。職や住まいを失う人が拡大するだけ。根本的な問題は政府の仕事でしょ。政治が今こそ力を見せてほしい」と。

   呼応して鳥越(ジャーナリスト)が「実は、派遣切りは東京よりも地方でもっと起きている。麻生首相には実情を見てもらった方がいい」。

   しかし、タレントの松尾貴史は「麻生さんはここへ行っても、友好的に迎えてもらえないことを本能的に分かっていらっしゃるのかも……」。

   職を失う非正規社員は、今(09)年3月末にはさらに膨らみ8万5000人(厚労省調べ)に達するという。

   小泉政権時代に進められた規制緩和の結果、禁じられていた製造業にまで拡大された派遣制度。

   いわば政治が作り出し、これ幸いと企業が便乗した制度だが、そのためかどうか、根本的な解決策は経済界からも政府からも聞こえてこない。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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