復活「現代『特命係長』」が救うのは…
現代も同じようなワイド「2009年大予測ニッポン」だが、こちらは1本に、ある程度のスペースを割いているから、読み応えのあるものも中にはある。NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」清水康之代表の「『'09年3月ショック』で年間自殺者5万人に」は興味深かった。ただ、スピリチュアル・カウンセラー江原啓之氏に日本と麻生政権の行方を占わせているのはいただけない。失礼だが、この人の胡散臭さがもろに出ている。意外なお奨めは「『リストラ・給与カット』会社と闘う完全マニュアル」。現代の定番記事だが、サラリーマン諸氏は知っておいたほうがいい。
表紙に2か所も謳ってある(リストラの記事とニッポン大予測も2か所に載っているけど、これってうるさいと思うのだが)、人気劇画の再開「特命係長只野仁復活!」は、売り上げ不振を挽回する起爆剤となるのか。編集長は祈るような気持ちでしょうな。
新潮のワイド「地獄の季節」は、私には読みたいものが見つからなかった。巻頭の「永田町を震撼させる議員秘書の『2億円詐欺スキャンダル』」、「45カ国『5000人』と体験した男の『世界女地図』」は満足度30%程度。茨城の「石岡店」と「石岡東店」の「不二家」で、期限切れのケーキを売っていたという内部告発は、またかとは思うが、読んでおいたほうがいいだろう。
最後に文春。巻頭の「非公開資料が明らかにする世田谷一家殺人事件『八年目の全真相』」は、目を背けたくなる記述があるが、この事件に対する怒りが沸いてくるスクープである。
中居正広と6年越しに付き合っている、父親公認の彼女の話は、それほど目新しくはないが、中居、倖田來未ファンなら読みたくなるのだろうか。読ませるのは「たけし、さんま、タモリ『忍び寄る老いと女』」。女がいても、「何もせんから、眠るまで横にいて」と頼んで寝てしまう、さんまの「絶望的な孤独」。たけしには現在、妻以外に立ち寄る女が、浅草ロック座会長で現在83歳になる「お母さん」と呼ぶ女性だけだという。浮いた噂もなく、吉永小百合の話をすると今でも顔を赤らめるタモリ。ビッグ3の意外なエピソード満載で、しみじみとさせる。
最後に、合併号を採点する。特集、クリント・イーストウッド・村上春樹インタビューの企画もの、連載コラムなどの総合力で文春が「お買い得週刊誌」ナンバーワン。文春が売れている理由が、この号を読むとよくわかるはずだ。