若者の絶望と「社会不安のコスト」

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   <テレビウォッチ>景気悪化の嵐が吹き荒れ、職を失うと同時に住む場所もなくなる非正規社員受難の年の瀬。ホームレスになる人が増え始めているという。その実態をリポーターの所太郎がルポした。

これはほっとけませんよ

   ネットカフェにぎりぎり留まっていた人たちが、今(2008)年秋から限界にきてホームレス化、路上生活者が集まるところに、今まで見かけなかった若者が増えてきたという。

   「新宿、渋谷のホームレスの方たちが集まるところを歩いてきましたが、ベテランホームレスの方がおっしゃるのは『ちょっと身綺麗で、キャリーバッグを引っ張った若い人が、ボランティアの炊き出しの列に並ぶ姿が増えている』といいます」

   愛知県内唯一、支援センターや緊急宿泊施設がある名古屋市の場合も深刻。周辺にトヨタ自動車関連の工場が多いことから、近隣自治体に「名古屋に行って……」と勧められ、職を失った非正規労働者が集まってくるという。

   すでに「シェルター」と呼ばれる緊急宿泊施設は満員。路上生活者のボランティア活動をしている人は「路上生活の人がだんだん増えていることと、20代から30代の若い方が多くなってきた」という。

   ジャーナリストの鳥越俊太郎が「『労働力の流動化』という美名のもとに終身雇用制をやめて派遣労働者や非正規社員を導入した。その時から真っ先に非正規社員がクビを切られると想定されていたのに、政府は雇用の創設を行わなかった」と。

   中国の広東省に行ってきたばかりという作家の江上剛は「広東省はアメリカ向けの輸出商品を造っているところで、数千万人単位で労働者が切られている」と。

   続けて江上は「しかし、彼らはまだ帰る田舎がある。この点、中小企業には雇用の受け皿がなく、地方も受け入れの余力がない日本の方が悲惨だと感じた」という。

   弁護士の石丸幸人が「企業も悪いが、政府が……」と言いかけたのを江上はさえぎって、「日本は企業の国なんです」と次のように……

   「スポーツだって企業がスポンサーになり盛りあがった。我々は、どこかの企業に属していたから家を建て、子供を育てられた。それを誤まっちゃいけない。企業の社会的責任を考えてもらわないと」

   作家の吉永みち子は「これはほっとけませんよ。若い人が街中で絶望を感じた時、何かが起こり、社会不安が起きた時のコストがまたかかってくる」と。

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