「7000万円」取られた家族の「孤立」 不明少女「捜す」詐欺

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   <テレビウォッチ>「卑劣な最悪な人間」「やっていることは誘拐した奴等と同じ卑劣さ。厳罰に……」

   2003年5月、下校途中に行方不明になった吉川友梨さん(14)=大阪府熊取町=の父親に「捜してあげる」と嘘を言い、7000万円余りを騙し取ったとして12月6日、男女が詐欺容疑で逮捕された事件だ。

   この男女は、堺市堺区の無職、中谷浩気容疑者(39)と内縁の妻、川上佳代容疑者(38)。

   取材したリポーターによると、友梨さんが行方不明になった翌04年7月、川上容疑者がまず、友梨さんの父親に電話で持ちかけた。

   「自分の弟も誘拐された。その時助けてくれた人がいる。あなたもプロに頼んだらど~や? その人を紹介する」

   プロというのは中谷容疑者で、その日のうちに、「私はプロや、だいたい居場所は知っている。三重県にいる」とだまし、まず交通費として10万円を騙し取った。

   その後2人は、「友梨さんが見つかった」「保護する際にカネがいる」「精神的に静養が必要で、生活費がいる」などといって騙し、指定した口座に振り込ませた。その額4年間で7000万円余りという。

   父親が「友梨にあわせてほしい」というと、「今は静養が必要だ」「警察は信用してはいけない。警察は身内を疑っている」と、警察に相談しないよう工作していた疑いも出ている。

   また、公開された友梨さんの写真を使って、「九州のテーマパークに行ってきた。元気です」という嘘のメールを父親の携帯電話に送信していた。

   父親は、積み立てておいた学資保険を取り崩したり、土地を売ったりして、言われるまま振り込んでいたが金が底をつき、警察に相談し事件が発覚した。

   中谷容疑者はコンビニやタバコを買いに行くにもタクシーを頻繁に使い、「俺は天才やな~」と、うそぶいていたという。

   でも、父親はなぜ4年間も中谷容疑者らの大ウソが分からなかったのか?

   川上容疑者が最初に「プロを紹介する」と電話したのは、父親が有力情報に対し200万円の謝礼金を出すと発表した2週間後だった。

   友梨さんが行方不明になった以降、ビラの配布などの支援をしてきたNPO法人「あいうえお」の関係者は、当時の父親の心境を次のように語った。

   「200万円の謝礼金のことでバッシングがあり、父親は精神的に疲労困憊していた。しかし、何もしないわけにはいかないという気持ちがあり、そこへつけ込んだのだろう」

   タレントの松尾貴史は「やっていることは誘拐した奴等と同じくらい卑劣。厳罰に……」。鳥越俊太郎も「人の弱みに付け込んだ最悪な人間。おっしゃる通り厳罰にしてほしい」。

   一方、作家の吉永みち子は次のように語った。

   「こういう質の悪いワルにもすがらなければならないくらい、家族の焦燥感が募っていた。警察に届けた後、情報のパイプが無くなってしまうんですね~。事件でないと警察はなかなか動いてくれない。少なくとも、一本の糸があれば(被害者の)孤立化はなかった」

文   モンブラン
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