インド同時テロの「新しい」点

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「テロ拡散の中心はパキスタン」

   両国はカシミールの領有をめぐって紛争を繰り返してきた。テロも多発しており、ラシュカレ・タイバはこちらの方で知られた名前だった。ただ、カシミールでは和解の動きが始まっていた。

   もうひとつ、インド国内に13%いるイスラム教徒は、多数派のヒンドゥー教徒のなかで差別と貧困に苦しめられてもいる。これに対する不満から過激派に走る者も少なくない。近年のテロはむしろこちらが多かった。

   今回はこのタイプではなかったわけだが、いま普通のイスラム教徒達は「この事件で、報復を受けるのではないか」とおびえているという。1992年のイスラム寺院破壊とその報復テロ(250人死亡事件も)の記憶は生々しい。

   印パ問題に詳しい専修大学の広瀬崇子教授は、「インドとパキスタンのイスラム教徒の合体だろう。ホテルや外国人をねらうなど国際化していて、これまでとは違う。とくにユダヤ教の施設を標的にするのは、パキスタン人の発想ではない」という。

   ラシュカレ・タイバはもともと87年にアフガンの旧ソ連軍に対抗するために作られた組織で、資金はサウジともいわれ、アルカイダとのつながりが指摘されている。

   広瀬教授は「テロの拡散の中心はパキスタン。その出方がカギ」というが、パキスタン国内状況からは、出口が見えてきそうにない。

ヤンヤン

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