「精神的依存性、すごいものがある」
それが2002年ごろから、覚せい剤の密輸が減って、さらに価格が高くなり利用者も減った。資金源に困った暴力団が、外国人を使って大麻を売るようになり学生たちがモロに罠にはまったのだという。
「大麻の害をどう認識したらいいのでしょう」という国谷に疑問に、水谷は次のように答えた。
「依存症が厄介です。切れると手が震え、喉が渇くなど身体的依存症が強いのはアルコールが典型的。大麻は、これがほとんどないといわれている。(大麻の)合法論者は、だから認めてもいいとバカなことを言っている」
「しかし、大麻の精神的依存性はすごいものがある。乱用で脳を壊してしまう。脳の神経は再生不能ですから、多少回復しても治ることはない」
また、「汚染拡大の大きな背景をどう思われますか?」の国谷の疑問に、水谷は「薬物乱用は社会の病と思っています」と次のような提言も。
「幸せな明日を夢見る社会では、若者たちは薬物なんて使いません。まじめに勉強に努力しても就職先は派遣では、今を楽しむしかない。
やった奴の自己責任。法を犯したのだから償え、大学を去れ、でいいのかどうか。医療機関に入れリハビリさせる一定期間、大学を休学させ、もう一度チャンスを与える余裕が欲しい」
『勝ち組』だ、『負け組』だ、市場原理主義だと、やみくもに規制緩和を進めた小泉構造改革の負の部分が今、若者に閉塞感を与えている。若者たちを慈しみ育てる視点を欠いた社会を見直すべきかもしれない。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2008年12月3日放送)