「1社で向き合うのは厳しい」
また、今2008年10月30日には、カタールから副首相らの一行が訪日し、国際協力銀行との間に、同行が窓口となって紹介する日本の先端技術に投資する合意契約を結んだ。副首相は「私たちはお互いによく理解している。信頼できるからこそ、共同で事業を行いたいと考えた」と笑顔をみせる。今のところは、相思相愛関係でうまく行っているようではある。が、「最近は中国、韓国が、かなりの量の石油を中東から輸入し、政府サイドで積極的な工作を進めている」(糠谷)らしく、日本は出遅れ感があるという。ライバルは手強い。競争力が試されるときだろう。
国谷から、日本が投資を獲得するしくみづくりについて問われた糠谷は、「1社で向き合うのは厳しい」とし、「たとえば、環境技術の企業を集めてファンドをつくり、中東から投資してもらうとか、ジョイントベンチャーで進出し、中東マネーを取り込んで共同でやることが考えられる」と答えた。
「マスダール計画」に投じられる額は、定額給付金の予算とあまり違わない。どうせ使うなら、雇用機会を増やすような壮大なプランを編み出してほしい、という思いに強くかられた。
アレマ
* NHKクローズアップ現代(2008年12月1日放送)