若年認知症への取り組み 「他人ごとじゃない」

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   <テレビウォッチ> NHK教育のETV特集「長すぎる休日 若年認知症を生きる」。50代でアルツハイマー病と診断された元調理師と元サラリーマンの北海道に住む2家族の生活ぶりを追った。

   2人とも症状が出たのは突然だったようだ。あくびばかりでボーとするようになり、数字も分からなくなる。2人とも妻が介護し、札幌の専門施設に通っている。働き盛りの人のこういう姿を見るのは痛ましかった。

   話の柱は、2人が初の海外旅行としてオーストラリアに行くというものだった。オーストラリアには、46歳で認知症と診断されながら「自分らしく生きることができる」と訴え著書も出した女性クリスティーン・ブライデンがいる。彼女に会いに行こうというのだ。9泊10日という長旅だ。

   「長すぎる休日」と題にあるように、若年認知症の人は楽しみがほとんどなく、不安感が強い状態が長く続くことになる。しかし、字もかけない状態でも、クラリネットは吹くことができたことがきっかけで、妻らが楽団をつくって前向きに取り組もうとする動きも紹介した。

   オーストリアに行った2人には笑顔が見られた。一種の転地療法なのだろう。しかし、全体として決して美談として単純にまとめている訳ではなく、よく表現していたと思う。認知症の2人は決して聖人君子ではなく、怒り出したりだらしない部分もあったり、ということをきちんと描いていた。

   オーストラリアではブリスベンを訪れた。認知症問題に町ぐるみでつながりを持って取り組んでいた。一方、日本ではそれぞれの家庭の問題とされてしまっている観がある。64歳以下の若年認知症は、日本に10万人前後いるとされているそうだ。他人ごとではないという意識を持ってどんな支援が必要なのか、を考える必要があると感じた。

      忘れても 旅路は続く どこまでも

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