小泉容疑者に週刊誌が涙した訳 「元次官襲撃」が急展開

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もっと深い闇が隠されているのか

   この記事で腹を立てた人は、もう一つの特集「スクープ!ご婚約50年 私の前で美智子さまが泣いた」を読んでほしい。朝日新聞の元記者が書いた、皇太子との婚約前後の正田家と美智子さんの、ちょっといい話だ。もう一つ。遠くなるつつある昭和についてのクイズ「昭和検定」は難しいけど、われわれの世代にはあの頃を呼び戻してくれる好企画である。

   では、文春、新潮は小泉毅容疑者をどう扱ったのか。文春は「小泉毅の『言いがかり』46年」、新潮は「『ミルキー』と呼ばれた男の『魔界46年』」と、タイトルは似たり寄ったり。

   内容も、「クリスチャン一家の数学ができる良い子」(新潮)だった男の子で、大学も一流だったのに、なぜかそこからスピンアウトし、スーパークレーマーになっていった軌跡を、同じような関係者たちの証言を下に書いている。

   どちらを読んでも、小泉が、なぜこのような事件を起こしたのか、頷けるものはほとんどない。新潮によると、彼が、宮崎勤や新潟女子監禁事件犯の佐藤宣行、宅間守などと同世代なのだそうだ。

   横浜市緑区にある寺の鐘の音がうるさいと難癖を付けてきたのが、30歳前後の小泉だった(文春)。この男、音には異常にうるさかったようだ。

   定職も持たずに、家賃を滞納もせず、フィリピン女性を家に呼んでいたとも書いてある(新潮)。

   テロと見まがうような異常な事件が、この男の妄想による単純なものなのか、もっと深い闇が隠されているのか。週刊誌編集長諸君、徹底取材して教えとくれ! 


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)ほか

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