目の前に『純米吟醸』の4文字が
今夜で禁酒いよいよ7日目。飲みの誘いも断ったし、この夜を乗り切ったら1週間禁酒に成功する! 気分はさながら聖女で1人自己満足に浸っていたその時。
「ピンポーン」
こんな夜に限って、珍しく友達が家に遊びにきた。しかも手土産に八海山を持って……目の前に『純米吟醸』の4文字がちらつく。
禁酒の旨を告げたのだが、あまりにも美味しそうに八海山を飲む彼を見ていると、いてもたってもいられなくなった。
そして……
一口舐めてしまった。う、うまい! 私の舌と喉は歓喜に包まれた。
こうして、あっけなく私の戦いは終わった。今夜はカレンダーにバツ印をつけることなく眠り、明朝、一緒に闘ってきた仲間に敗北したことを話さなくてはならない。我ながら意志の弱さに感服。私、やっぱりダメ子だったわ……
モジョっこ