(C)2008 Three Kingdoms Ltd.(C)Bai Xiaoyan
<レッドクリフ PartI>西暦208年。強大な兵力を率い中国全土を席巻していた曹操(チャン・フォンイー)に対抗するため、リュウ備(ヨウ・ヨン)軍の軍師・孔明(金城武)は孫権(チャン・チェン)軍と手を組むことを提案する。そして単身、孫権の治める呉の国へと向かった孔明は、孫権軍の軍師・周ユ(トニー・レオン)と出会う。
かの有名な「三国志」を実写化するにあたって、監督のジョン・ウーはオリジナルの設定やストーリーを多少変更することで、壮大なアクションエンターテイメントに仕上げた。劇中では、周ユと孔明は互いを認め合うよき友人として描かれているが、三国志演義では、2人は互いにライバル視し、周ユが孔明の暗殺を図るなどする。しかし、劇中での2人の信頼関係は、リュウ備軍と孫権軍の結びつきを深くすることにつながっている。さらに曹操を冷酷非道な色ボケ宰相として描くことで、ストーリーはシンプルになり、三国志を知らない人でも楽しめる内容になっている。
そんなシンプルな構成はアクションシーンにも生かされており、ドロドロの合戦シーンにするのではなく、一騎当千の武将達が敵をなぎ倒す、迫力満点で見栄えのする戦いになっている。特に勇将・関羽が繰り出す、敵の槍を奪いその槍で相手を倒していく中国武術最強の技・空手奪槍は、アクション監督ジョン・ウーの渾身の演出だろう。
しかし、いくら分かりやすくしたとはいえ、三国志に興味のない人が145分の長丁場を耐え切るのはかなりつらい。そして「PartI」自体、赤壁の戦い最大の見せ場である海上戦の手前で終了しているので、我らが金城武演じる孔明の本領発揮も次回の「PartII」に持ち越しとなる。果たして、膨大な予算を投じたジョン・ウー版三国志はどのような結末を迎えるのだろうか。
ジャナ専 ぷー(JJC漫画研究会部長)
オススメ度:☆☆☆