フジテレビの「土曜プレミアム」。今回見たのは版画家、棟方志功を描いたドラマだった。劇団ひとりが主役を演じた。妻役は香椎由宇。
過去に西田敏行や渥美清といった名優が演じてきた役だ。劇団ひとりが背負うものは重かったかもしれない。青森から上京して見出されるまでの苦労や、子どもや姉の病気といった家族関係を軸に描いていた。ゴッホのひまわりとねぶた祭りに影響を受け、創作意欲へとつなげていったことも強調されていた。じょっぱり精神というのかな、頑固に自分の道を進んでいく姿勢が創作を支えたようだ。
劇団ひとりは、がんばったと思う。型破りの芸術家の雰囲気は出ていた。劇団ひとりの本や寄稿を読んでみると、そういう雰囲気を出せた、というのは何となく理解できる。
とはいえ、ドラマ全体としては、数々のエピソードを追うだけで、人間としての悩みや喜びを掘り下げて描いて、というところまではいっていなかった。日本人ががんばって成功して、という線を描こうとし過ぎているようにも思った。退屈した訳ではなかったが、130分は長かった。
じょっぱりで ゴッホに負けぬ 気概みせ