<テレビウォッチ>「また病院の受け入れ拒否で、32歳の妊婦が4時間も搬送されず、現在も意識不明の状態です」(小倉キャスター)と、新たに判明した重症妊婦の受け入れ拒否問題を取り上げた。
「被害」に遭ったのは東京・調布市に住む夫婦。9月22日の午後、妊娠41週目の妻が陣痛で、かかりつけの飯野病院(調布市)に入院した。
日付が変わった23日午前0時40分、寝言を言ったり、嘔吐したりするなど妻に異変が起きる。脳内出血を疑った医師が、地域の中核病院である杏林大付属病院など都内8か所の病院に受け入れを求めたが、いずれも拒否されたという。
結局、受け入れが決まったのは4時間後の午前6時、およそ30キロ離れた東京・墨田区の都立墨東病院だった。帝王切開で出産は成功したものの、妻は現在も意識不明のままだ。
ずっと付き添っていた夫は「搬送中ずっと右手が痙攣しているんですよ。人があんなになるのを見るのは初めて。受け入れを断った病院の先生に見せたいくらいでした」と、無念な思いを。
いったい首都・東京の医療体制は、機能しているのか?と言いたくなる。
同じような症状の重症妊婦が受け入れを拒否され、亡くなった問題で「レアケース」と答えていた石原都知事。しかし、今回も「非常にレアケースだそうです」と繰り返した。
小倉も「都知事はレアケースとおしゃっていますが、そんなにレアケースが立て続けに起きるものですか?」と。
番組に生出演した医療ジャーナリストの伊藤隼也は「まわりの人が石原さんに正しい情報を入れていないのでは……」と、無責任な行政の対応をいぶかった。
また、取材した大村正樹リポーターは「SOSを送る病院側と受ける病院側の間に、非常な温度差があるのに愕然とした」と、最初に受け入れを拒否した杏林大付属病院の対応について言及した。
それによると、飯野病院の医師が午前3時20分から2度も「脳内出血の疑いあり」と電話で受け入れを依頼。杏林は「帝王切開の手術中」と拒否。
就寝していた飯野院長が駆けつけ、自ら電話で「帝王切開を手伝うから是非とも受け入れを」と訴えたが、杏林側からは「では詳しい容態をFAXで送って欲しい」と返事があった後は、ナシの礫だったようだ。
大村は「杏林側はFAXを受け取ってないと言っているようですが、FAXの記録は送信済みになっているのですよ……」と訝っている。
小倉は「こんなことではまた同じようなケースが出てきますよね~」と。