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<イーグル・アイ>あるとき携帯に正体不明の女から電話を受けたジェリーとレイチェル。「お前は誰だ」との問いに応じることもなく、その女は一挙一動を2人に命令していく。街中の機械という機械をジャックし、それらを使って指示を出す女は、ある目的のために2人を自分のところへと誘導する。
2人は命令を背こうにも背けず、執拗に追ってくるFBIの追跡をかわしながら命懸けで指令を遂行していく。なぜ指令を受けたのが自分たちなのか。また女の正体とは。そもそもの目的とは何なのか。という謎が、この2人にとってだけでなく、ストーリーとしても最大の謎になり、本作の見所ともなる。
平凡な日常を送っていたが、ある日突然大きな事件・陰謀に知らずうちに巻き込まれていく……。これはサスペンス・スリラーの典型的な流れで、本作も例外ではない。『イーグル・アイ』というだけあってどこから見られているのか分からない恐怖と、見えないものに遠隔操作されるという設定はおもしろいのだが、観客を惹きつける題材があるにもかかわらず、内容が軽い。
話の展開に典型的な流れができてしまっているからこそ安易に予想できる結末の斜め上をいって欲しいところなのだが、残念ながら途中で読めてしまうものばかり。そして展開がとにかく早い。話の流れも観客のボルテージもジェットコースターそのものだ。期待しすぎると気持ちは急降下してしまう。おまけにやたらとド派手な追跡劇を繰り返す。スピーディーな展開と派手なアクション・シーンで多少の不満や疑問を吹き飛ばし、観客に考えるスキを与えないようにしているのではないか、と思えてならない。
映画の中では現代社会の行き過ぎたテクノロジーと監視社会に警告をしているが、難しいことは考えずに純粋にアクション映画として見たほうが楽しめる。
ジャナ専 巴麻衣
オススメ度:☆☆