<テレビウォッチ>立ち木問題で揺れていた静岡空港の開港がまた延期されることになった。当初予定の開港が2003年7月、これで5度目の延期になる。
「県のずさんな体質が隠されていました」と、この問題を取り上げた。
すったもんだの静岡県の石川知事が、昨日(10月29日)県議会で開港延期を正式に表明した。
「航空法で定められている制限表面を超える物件が存在しており、このままでは開港できない状況にある。新たな開港時期は最も遅くて来年7月。追加工事に要する費用は1億1000万円を見込んでいます」
番組では、大村正樹が今朝、静岡県島田市にあるその「物件」の前からリポートした。完成した滑走路の先の小高い丘の上に、問題の物件である数十本の立木が……
これを見てキャスターの小倉が「空港反対で立木を植えたわけではない。もともと小高い所に木が立っていて、通常なら『あの木はどうなの~』となる。おかしいですよ」とあきれ顔。
当然、着工して10年も経つのに、なぜ今頃になって? となるのだが……
立木のある土地の所有者は「そもそも県は、この土地について強制収用の必要なしとしてきたところ。2年前に立木が高さ制限に引っ掛かるのではと気付き県に助言をしたが取り合わなかった」という。
この空港があるのは、茶畑で有名な牧ノ原台地の南端。静岡市から車で1時間以上はかかる不便なところで、計画当初から赤字が予想され、必要性を疑問視する声もあった。
地権者は「開港を止めるつもりなどありません。県が、ちゃんと落ち度を認めれば話し合いに応じるつもり。3月開港の可能性は残っていると思う」と。
立ち木の伐採を含めて地権者と話し合いをすれば、新たな税金の追加投入も少なくて済む可能性もある。
地元の人も「みっともない話だね。民間だったら責任者のクビが飛ぶよ~」。
これまでの工事費は県や市町村が1650億円、国庫補助が250億円。こんな杜撰な姿勢では、負担する県民、国民はたまったものではない。