「年金調査なんて面倒くさい」が役人の本音? 元調査員が明かす

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   <テレビウォッチ>年金記録改ざんの調査は、まずは144万件ということになっているが、これはオンライン化になった1986年以降が対象の数字。ところが、それ以前にもあった、という事例が確認された。当事者がスタジオで証言した。まさに「ほっとけない!」だ。

みの:全部を救済しないと

   東京。清瀬市の坂本泰治(60)はこの4月、年金受給手続きで社会保険事務所を訪れて、気がついた。81年から82年にかけての5か月間が、月給(標準報酬月額)24万円だったはずが9万8000円になっていた。この結果、年金が年に2万円ほど少なくなるという。

   書類にあった「※」印を不審に思って辿ってわかった、という。「※」印は改ざんの印だったのか。また、同僚3人も同様に改ざんされていた。いずれも、厚労省がいま調査をしている時期より前、調査対象外になる。今年6月、第三者委員会に申し立てたが、「平成19年(2007)度に申し立てられた5万件をまずやる」という態勢のようだ。担当者が決まるのに「数か月かかる」といわれたという。

   その第三者委員会で、JNNは近畿地方の委員会の元調査員の証言を引き出した。これによると、調査員にはノルマがあって、1週間に1件やればいい。

   「最初はやる気だったが、担当の局長が変わってからは、なるべく認めない、前例がないと認めない方針に変わった」という。さらに「国民のためというより、面倒なことはしたくないと」とも。

   これまで第三者委員会への申し立て5万9730件のうち、処理すみは3万件余りで、2万8000件以上が処理を待っている。

   みのもんたは、「はっきりいって国家的犯罪ですからね。国がどう責任をとるか、そういう段階に来ている」という。

   先の男性は、当時の会社が倒産したので、失業保険の記録を持っていたが、委員会は「源泉徴収票が必要だ」といっていたという。源泉は5年間しか保管しないからないのだと。

   「そういうことが起きているんですね」とみの。

   舛添厚労相は、「コンピューター上の犯罪」という捉え方で、1986年以降の問題としているが、「それ以前からやってたわけだ」とみの。TBSの厚労省担当の牧嶋博子記者は「昔の手書きの台帳まで遡らないといけない」という。

   「それが破棄されてるとなると、申請全部を救済しないといけない」とみの。

   愛知県の例だが、入社の初めから低くされていた疑いのある例も紹介された。月給の振込額は預金通帳で確認できるのだが、源泉徴収票がないために回復はされなかったという。

   牧嶋記者は、「源泉あるいは給料明細がないと、第三者委員会にもっていっても難しい」という。「所得税の記録は?」「5年でなくなっちゃいます」「税務署が認めるようにすればいい?」「何か認める形をつくらないと、泣き寝入りがふえる」。

   末吉竹二郎が、「申請のあったものは全部認めた方が、コスト的には安いんじゃないか」といった。これはたしかに卓見だ。

   通知を出すだけで、郵便代が何億という金額である。用紙が不備だと出し直したり、すでに無駄に使った金がいくらになるのか、相当なことができるのは確か。

   個人の資産に勝手に手を突っ込むなんていう犯罪は、法律も想定していないはず。これがどんなに重大なことか、役所はもちろんマスコミですら十分に理解していないのではないか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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