(C)Newline Productions/Junkyard Productions
<僕らのミライへ逆回転>店長不在のあいだビデオレンタルショップの店番を任されたマイク(モス・デフ)と、発電所近くのトレイラーハウスに住むジェリー(ジャック・ブラック)。ある日ひょんなことからジェリーは体に電磁波を帯びてしまい、マイクの店のビデオを全てダメにしてしまう。そんなときタイミング悪く常連の客が『ゴースト・バスターズ』を借りにきて2人はいよいよ追い詰められるが、マイクはあるとんでもない方法を思いつく……。それは映画を2人で完全リメイクしてしまえばいいという、かなり無理矢理な方法だった。
ジェリーとマイクがダンボールや周辺のガラクタを用いて作品を撮っていくサマがとにかくおかしい。しかもそれが『ゴースト・バスターズ』に始まり、『ラッシュ・アワー2』『ロボ・コップ』『2001年宇宙の旅』『ライオン・キング』といった有名作品ばかり。一度でも見たことがあれば「あのシーンをそう撮るか!」とおかしさの反面、感心もしてしまう。
ハリウッドの弁護士から『著作権違反』だと宣告されてからは「じゃあ自分達でオリジナルの作品を撮ればいい」と住民たちと一緒になって2人は再び手作り感溢れる作品を撮っていく。ここからはコメディ路線ではなく、一から何かを作り上げる喜びや達成感、それに関わる人たちとの暖かい触れ合いが描かれていて、こちらまで楽しい気分にさせてくれる。
これはタイトルからは想像もつかない良作だ。話題性がないと敬遠されそうな邦題が本当に残念である。原題は『BE KIND REWIND』で、この作品ではマイクが預かる店の名前だが、ビデオ返却の際に「巻き戻して下さい」という意味。映画作りとは、また映画を楽しむとはどういうものだったのかということを一度原点に戻って考えてみてくれという意味が込められているのではないか。
ジャナ専 巴麻衣
オススメ度:☆☆☆☆
10月11日(土)シネマライズ、シャンテ シネ、新宿バルト9ほかにて全国ロードショー!
配給 東北新社