「水メジャー」企業に日本は屈するのか

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「水制する者は世界制する」

   いずれにしても、温暖化による渇水や水質汚染、人口増による水問題は深刻で、「国連では2025年までに18億人が水不足に直面すると推計しています」(国谷裕子キャスター)。

   そんな状況からシンクタンクの所長は「水は第2の石油になりうる。水を制する者は世界を制する」と語る。霞が関も、日本の水ビジネスの将来に危機感を募らせて、ようやく動き始めた。この9月、膜メーカー、商社、電機メーカー、建設会社を集めてオールジャパンの企業連合体を結成、3年で日本版水メジャーの育成を目指すことにしたのである。

   経産省の環境指導室長は「これがラストチャンス。今のタイミングで出ていかないと厳しい」と言う。スタジオゲストの吉村和就・元国連環境審議官は「日本の水行政は、上水道は厚生労働省、下水道は国土交通省という具合に6つの省庁がバラバラ。省庁を束ねるような取り組みがなければ海外の水メジャーに対抗できない」と指摘する。さらに吉村は「いい技術さえあれば白馬の王子様が買いに来るというのは誤解。世界に情報を発信し、ビジネスを展開するなどの積極的な姿勢が必要だ。日本には100年以上にわたる水に関する経験、ノウハウがある。21世紀は水の時代、世界に貢献したい」と結んだ。

   24時間、蛇口をひねればいつでも飲み水が出るお国柄のせいで、日本は立ち上がりが遅かったのかもしれない。果たして先行する水メジャー勢につけ込めるだろうか。

アレマ

NHKクローズアップ現代(2008年10月23日放送)

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