医療制度のひずみ 医師に負わすな

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   <テレビウォッチ> このところ、「朝ズバッ!」は医療問題に入れ込んでいる。きょう(10月24日)は、29億5000万円という累積赤字をかかえる北海道・赤平市の市立赤平総合病院。ここでの研修を選んだ1人の研修医をカメラが追って、地方病院と医師の現状を浮き彫りにした。

どんどん研修を積んで

   この病院の赤字は、不相応に豪華な施設を作ってしまった結果で、存続の危機と、これまで何度か番組がとりあげていた。「白旗を上げるつもりはない」という高尾弘明市長の決断で節約による再建に動いているが、もうひとつ、医師不足解消策と期待しているのが、研修医の招致。

   国家試験のあと義務づけられている2年間の研修をどこで行うかは、従来は出身大学の医局が仕切っていた。制度が変わって現在は自由に選べる。赤平市は、7000万円をかけて宿舎を作ったほか1000万円近い給与を用意した。都市部での研修の倍以上。全国でもトップクラス。

   これに応じてこの4月、九州から来たのが錦戸崇医師(31)。錦戸医師はまだ1年目。「救急患者がくると、恐いですね。命がかかってますから」と正直だ。

   が、数が少ないから、診察や手術の立ち会いの回数はどうしても多い。手術には3週間で10回も。胃カメラの使用回数が多いという。渡部公祥副院長は「実践がいちばんの研修」という。

   赤平病院は一般120床、療養60床、救急対応病院で、5年前には18人いた常勤医はいま7人。これに研修医4人が加わるが、病院運営はぎりぎりの状態だ。しかし、研修医にはかえっていい場所ともいえる。

   その病院の赤字減らしのケチケチ作戦は徹底している。敷地内の清掃も事務長を先頭に職員がやる。こまめに消灯して電気代の節約。ゴミも手分けして職員が自宅へ持って帰る。看護師を助けるボランティアの活用。その上給料は30%カットである。

   しかし、この結果、今年度上半期は500万円の黒字になった。例年は1億円前後の赤字だった。これは朗報だ。

   問題は研修期間が終わったあとも残るかどうか。錦戸医師は「まだ決めてない。地域で勉強もできるが、もっと大きな病院で勉強もしたい」という。病院と医師自身の明日がかかっているわけだ。

   みのもんたは、「どんどん研修を積んで、優秀な赤ヒゲ先生になってもらいたいね」

   浅野史郎は、「今はいいけど、次をどうするかが問題。大学の医局と切れちゃっているし、人が少ないと動きがとれない面もあるからね。がんばれ! 赤ヒゲ」

   実践が医師を作る。だが医療制度のひずみを、医師に負わせちゃいけない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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