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   編集長は、自分の雑誌を売るために、タイトル付けに全知全能を傾ける。売れる雑誌の「鉄則」に、読者は、新聞や中刷り広告を見て、読みたい記事が1本では買ってくれない、2本あれば何割かはお金を払ってくれる、3本あれば、文句なく買ってくれるというのがある。

八百長ものやや食傷気味

   そうした観点から5誌を見てみよう。コラムは抜いている。まず、現代。八百長大特集はいささか食傷気味。「総力大特集/経済大乱時代を生き抜くために 生活防衛12の秘訣」に目がいく。ポストは、左右の大特集が、紀子妃と池田大作創価学会名誉会長だが、いまいちパンチ不足。「『退職金前払い!』を選択した男たちの生涯設計」とポストらしい「人妻『こたつキャバ』が進化!『テーブルの下の遊戯』実況中継」を読みたい。

   朝日は、「緊急覆面座談会 こんな保険にダマされるな!」、ワイドの中の「フジ新人アナ『スーパー綾子』の昔のあだ名」。特集「『八百長』は日本の伝統文化か?」は、現代とは視点を変えたのだろうが、「何を今更」の感あり。新潮は、自社がスクープした「民主党のマルチ・マネー」の続編がトップだが、新聞などが後追いしてきているから、どれだけ新しい情報があるか。積極的に買う動機にはならない。ワイドの中の、「永田町に流れる文春『麻生論文』の筆者は『朝日編集委員』の噂」は気になる。「1968年『国際反戦デー』新宿騒乱事件」は、私の世代は手に取りたくなる読み物だ。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)ほか

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