キャッシュカード「直接渡して」詐欺 ひっかかる訳

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   <テレビウォッチ>ATMを悪用した『振り込め詐欺』ではなく、大胆にも自宅へ直接出向きキャッシュカードをだまし取るなど、新手の詐欺が増えているという。

小倉:動転しますよ

    警察官が見張るATMがダメなら 別の手があるさというわけで、巧妙化する新手の詐欺。『特捜エクスプレス』で新手の詐欺を負った。

   2か月に1度の「最も危険な日」というわけで、年金が支給される今月15日、全国5万6000人の警察官を動員して金融機関のATMに張り付いた。

   が、残念なことに物々しい警戒にもかかわらず、5件の『振り込め詐欺』が起きた。と言っても、実際の『振り込め詐欺』事件は3件。

   後の2件のうち1件は、詐欺犯が被害者宅を直接おとずれ、巧みにキャッシュカードをだまし取る手口。もう1件は、郵便局の「エクスパック」を悪用した詐欺だったという。

   そこで『特捜エクスプレス』が追ったのは、今(2008)年8月に起きたキャッシュカード詐取事件。

   「泣きたいよ」と訴えるのは広島県内に住む女性(77)。自宅にかかってきた1本の電話が始まりだった。

   「広島県警の者ですが、あなた名義の銀行口座が振り込め詐欺に使われました。被害者からあなたに損害賠償請求がくるかもしれません。借金してでも弁償しなければなりません……」

   「指紋登録して新しいカードを作って下さい。あす、全国銀行協会の者を行かせますから、カードを渡して下さい」

   こう聞かされれば驚かずにはいられない。しかも、手のこんだ細工はこの後。女性が電話を置いたら、誰かに相談するスキを与えず、男がやってきたという。

   しかも「あなた講座の暗証番号は1035ですか?」と4ケタのうち3つまで当て、電話番号、住所、銀行口座の残高まで知っていたとか。

   で、女性はキャシュカードを渡してしまい、後で調べると267万7000円がだまし取られていた。

   もう一つは、「エスパック」を悪用した詐欺未遂事件。岡山市内に住む女性(46)に大手金融機関から1枚のハガキが届いたのは昨年の4月。そこには、何件か組んでいるローンを一括にして、安い金利に組み替えたらという内容が書かれていた。

   興味を持った女性は、ハガキに書かれた電話番号に掛けたところ、「民間の金融機関で50万円借りて下さい。その現金と借りた明細書をエスパックで送って下さい」と言われた。

   女性は、不審に思ったため被害に遭わずに済んだが、この手口による被害も増えているという。

   小倉は「自分は大丈夫と思っても、身内の名前を出され、何かあったと言われれば動転しますよ」とタメ息。しかし、それではまんまと犯人の罠に掛ってしまう。

   警視庁の山本仁刑事部参事官は「犯行の方法を学んでどんどん仲間を増やしている。すぐおカネが必要だからという話は間違いなく詐欺と思っていい。即110番を掛けてください」というのだが……。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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