「三すくみ」は打開できるか
『三すくみ』 がもたらす、内定の早期化、就職活動の長期化は、教育面に弊害を及ぼすことになる。学生はおちおち勉強できないし、卒業研究、論文にかける時間を大幅に削らざるを得ない。国立大学協会の副会長は「落ち着いた形で勉強する場が失われてきている。ゆゆしき状況で日本にとって大きな損失」と大いなる不満を口にする。企業側は「大学時代にやってきたことと我々が望んでいることにギャップがある。われわれが最先端のものづくりをするための基礎知識を、入社後、改めて教えなければならない」(神戸製鋼人事担当者)と述べる。
「三すくみ状態の打開策」を国谷に尋ねられた真山は、1人ひとりが自分のやっていることに自信を持つことが大事だとし「企業はフライイングせずにじっくり学生を見て人材を獲得し育成する、大学は最後まで勉強をちゃんと教えて学生を世の中に送り出す、学生は20年生きてきた自信を持って何になりたいか自問自答しながら企業を選ぶこと」と言った。
さらに真山は、今は日本が自信を失って迷っている時代だとして、「就職活動から、日本がもう一度、自信を取り戻すきっかけを手に入れることになるかもしれない」と続けた。が、そこまで期待をかけるのはややムリがあるように思われた。
アレマ
*NHKクローズアップ現代(2008年10月16日放送)