新聞の「~ことがわかった」は「週刊誌のぱくり」?

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マルチ業者の献金問題 新聞より先に報じたのは…

   今週は、病院スキャンダルが面白い。文春は、前号で、聖路加国際病院佐藤孝道部長のパワハラ問題について追及したが、今号では、日本老人界の希望の星、97歳、日野原重明理事長を「老害」ではないかと、タブーに挑戦している。新潮は、愛人看護士との不倫・密会写真まで掲載した北里大教授のスキャンダルと、がん治療の中心的存在、がんセンター中央病院に、年間1000人を超える「手術待ち難民」が発生している「元凶」は、土屋了介院長の無責任経営にあると指弾する二本立て。

   医療現場の崩壊は、想像以上に進んでいるようだ。

   泥酔する前にひと言。10月16日朝、マルチ商法業者から多額の金銭を受け取っていた民主党前田雄吉衆院議員が、離党し、次の総選挙には出馬しないと、各新聞が流している。このきっかけは、先週10月8日発売(16日号)の新潮が書いた「『マルチ商法』議連の献金疑惑」である。にもかかわらず、13日の朝日新聞は1面で、前田議員が、多数のマルチ商法業者らから多額の講演料と献金を受け取っていたことが「わかった」と大きく報じた。「わかった」のは新潮の記事を読んだからではないのか。新聞、テレビは、週刊誌の情報を無断でぱくり、「一部週刊誌によると」「わかった」などとして情報源を明確にしないことがままある。そろそろ止めたらどうか。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)ほか

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