抜き取り検査じゃ「毒食べ物」防げない 日本は「無防備ですね」

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   <テレビウォッチ>またまた中国産の野菜、今度は冷凍インゲンから基準値の3万倍という高濃度の農薬ジクロルボスが検出された。専門家も「残留レベルじゃなく、振りかけてます」というほどの濃度だ。いったいだれが、何のために?

いい方法ないですか?

   炒め物をいったん口にしてすぐはきだしたという八王子市の主婦(56)は、「口がしびれる感じで、石油系みたいな臭いがした」という。主婦は一時入院した。連絡を受けたイトーヨーカドー南大沢店では、残っていた46袋を店頭から引きあげ検査したが、農薬は検出されなかった。

   このインゲンは、中国黒竜江省の北緑食品が栽培、収穫、冷凍。山東省の煙台北海食品で梱包されて、日本へ出荷されていた。出荷前に3度行われた検査で、農薬は検出されなかったという。農薬が検出された袋は、約7万袋のロットの一部で、関東一円の331の小売店に卸された。

   これまでに、千葉・柏保健所に、30代の会社員と主婦から、健康被害の訴えがあったという。同じロットの製品だという。煙台北海食品からは、19社が別の製品も輸入しており、厚労省は流通状況などを調べている。

   ただ、煙台北海食品では、ジクロルボスは使っていないし、十分に調べるといっている。社長と副社長の映像がでたが、2人とも流ちょうな日本語。同社の製品は8割が日本向けだそうだ。そんな会社が、農薬とは考えにくい。

   まして濃度がすさまじい。ジクロルボスの残留農薬基準値は、0.2ppmだが、例の冷凍ギョーザで検出されたのが110ppm、それが今回のは6900ppm。このインゲンを体重50キロの人がワンパック食べると、半数が死亡するという。これはいったい何を意味するのか。

   神奈川大学の常石敬一教授は、「事故とか残留じゃなくて、パラパラと振りかけた濃度です。日本でも使ってますが、農家は安全に使ってます」。

   また「もし工場で汚染されたのなら、全部の袋から出るはずが、出ない。これは、先の冷凍ギョーザと同じで、どれが汚染されてるか分からないから、店が全部回収したのは正しい措置です」という。

   検査は日本でも1回行われていて、それでも発見されてなかった。

   ジャーナリストの富坂聡は、「抜き取り検査ですからね。中国でも日本向けは特別厳しくやってるが、この農薬は中国では普通のもので、よく自殺に使われる」

   みのもんたは「北京の一般家庭では、野菜の農薬を落とすための洗剤を使っていた」という。

   常石教授は、「このレベルですと、洗ってもダメ」。

   みのは、「じゃあ、店はひと袋ごとに全部調べるしかない?」と。

   「それじゃ流通できなくなる」と常石教授。「でも今回は素早くてよかった。ギョーザのときは1か月以上かかりましたからね」

   嶌信彦が「故意にやったと?」と聞く。

   「故意にやってますね」(常石教授)

   富坂も、「ここでもない、ここでもないということになると思う。すると、ギョーザのときと同じ。ただ、中国も真剣で、先のミルクでは責任者がくびになってますが、これ毎年のように起こってること」

   高木美也子が「輸入をやめることは?」

   富坂は「できないでしょう。相互依存が深いですし、長年かけて作ってきた関係ですから」。

   みのは「なんかいい方法ないですか?」

   常石教授は「無防備ですね。6割が輸入ですからね」。

   「そうなると、袋を見て、この国か、じゃあやめようかとなっちゃう」とみの。

   ここでみんな黙っちゃった。珍しい展開だ。

   嶌がやおら、「早く解決しないと両方が困るんだから、協力しないと」。

   まあ、中国政府の対応が変わるのを待つしかないか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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