野球や特別番組で1か月以上お休みしたあとの今回は拡大スペシャル。小さな国会はつつがなく開会した。冒頭、太田光総理(爆笑問題)が「公約を守れなかった国会議員はクビにします!」と今回のマニフェスト(法案)を叫ぶと、「お~」といかにも作為的などよめきのSEが応じた。
休みを挟んでも、太田ソーリにはお変わりないようだ。「公約を守れなかったら死刑!」「政治家も辞めて、一生ただの人」と、いつも通り過激で強権的で頑なである。
出演した議員たちでは、野党議員は賛成し、与党の自公議員は4人中、3人が反対に回った。「(公約を発表してから)経済社会情勢が変化することもある。公約も情勢に応じて、改めてしかるべき。ただし説明責任は果たさねばならない」(中川雅治参院議員)。ウツクシイ公約の命は花のように短いのである。「政治活動の自由、職業選択の自由の点で問題がある」(秋元司参院議員)。
「クビにするのではなく、有権者が選挙でチェックすればいい」(伊藤惇夫・政治アナリスト)との意見には、「それはよく言うよね」と、ある程度予想していたようだ。つまり選ぶ有権者のレベルが低い、それが悪いと示唆しているわけだが、ソーリの言い分では、有権者云々ではなく、政治家自身に歯止めが必要だと言う。
ただ、今日のソーリは厳しい話もするが、温情も見せた。「ネタばらしみたいになるけど……公約を実現しようと一生懸命やって、ダメだった。それをクビにしようとは言わない」「ただ『できないかも』と最初から言わないでほしい。実現できなければ辞める。そのくらいの覚悟でやってほしいんですよ」
なあんだ、そういうことか。冒頭の過激さは、スポ根ドラマの熱血センセイが「お前ら、この試合に負けたら、野球を辞めろ!」と言うのと同じ類だったのである。
「そういう話なら、賛成できる」と反対派の議員も賛成に回り、15対5で法案は可決された。しかし、番組を見たあとでは、「公約」自体、いったい何なんだろう、という虚無感が強まっただけだった。次の選挙では公約を禁止すべきだろう。