「ノーベル賞」で浮き彫り 「優秀な先生方」はなぜ米国へ?

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   <テレビウォッチ>ノーベル物理学賞日本人同時受賞の興奮が冷めない中で、続いて今度は、下村脩・ボストン大名誉教授(80)がノーベル化学賞を受賞した。

優秀な先生方が…

   下村名誉教授は、オワンクラゲが発光する仕組みを解き明かす過程で、発光の元である緑色蛍光タンパク(GFP)の分離に成功。その構造を解明したのが認められた。

   このGFP は現在、人間の細胞内に入れて細胞の動きを観察するツールとして世界中の研究者によって使われている。

   今回、共同研究者として米コロンビア大教授のマーティン・チャルフィー、米カリフォルニア大サンディエゴ校教授のロジャー・チェンら2人も受賞したが、2人はGFPを実際に細胞内に入れ発光させることに成功した。

   その下村名誉教授は「妻からストックフォルムから電話と聞いてびっくりした。医学・生理学賞は無きにしもあらずと思っていたが、化学賞は全く意外で、考えてもいなかった」と喜びを。

   毎年夏になると、明美夫人らを伴って海岸へ行きクラゲ捕りに。「19年間にわたり約85万匹のクラゲを捕獲したところで、クラゲがどのようにして発光するのかだいたい分かりました」という。

   基礎科学は、この想像を絶する地道な努力を経ないと成果は得られないといわれる。

   キャスターの小倉が「残念に思うのは、(物理学賞の)南部陽一郎先生はすでにアメリカ国籍でしょう、下村先生はアメリカに滞在しておられる。優秀な先生方がアメリカに渡ってそこで研究する背景には何があるのか考えないといけない……」と、頭脳流出が続く現状に疑問を。

   これにノンフィクション作家の岩上安身は「基礎科学や自然科学分野の研究は、莫大な研究費や研究環境の整備が必要。アメリカは、新しいものにチャレンジさせる研究環境の整備や研究費を惜しみなく差しだすということだと思う」と。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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