<テレビウォッチ>俗に『ゼロ・ゼロ物件』と呼ばれる敷金ゼロ、礼金ゼロのマンション、アパート賃貸物件を巡ってトラブルが相次いでいる。
『とくダネ!』は、この『ゼロ・ゼロ物件』を扱う、ある不動産業者を取り上げた。仰天するその実態は……
5人の男性が昨日(10月8日)、不動産会社『スマイルサービス』を相手取り東京地裁に提訴した。
原告のひとり土田政彦は「夜勤明けで、部屋で寝ていたら、部屋の中で自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。(会社の)看板見るのも嫌です」。
『スマイルサービス』は、敷金、礼金がゼロのほか、仲介手数料もゼロ、保証人も不要とあって、低所得層や外国人に人気という。業種別売上ランキングでは、同業5982社のうち60位(帝国データバンク調べ)だ。
しかし、人気の裏には仰天の顔が……。現在、『ゼロ・ゼロ物件110番』には65件の相談が寄せられているが、最も多いのが『スマイルサービス』で、23件にのぼっている。
その中身は、(1)家賃を1日滞納しただけで玄関の扉に「会員資格喪失」の張り紙が貼られ、カギを勝手に交換された
(2)滞納してたら、人が勝手に入ってきて「スマイルサービスだ。早く出て行ってくれ」
(3)滞納で部屋に入れなくなった。お金を貯めなくては、と思っていたら荷物が全部、別の場所に移されていた
(4)「滞納しそう」と、会社に相談に行ったら、即解約された―などなど。
ポイントは、賃貸契約時に書かされる「『施設付鍵利用契約』に関する合意書」。つまり部屋を貸すのではなく、部屋のカギを貸す「鍵利用権」。その中には、次のような業者に都合のいい内容が……
「1日でも家賃が遅延したら、施設を使用することを目的とした貸借権ではありませんので、居住権、営業権については認められません」
「1日でも遅延した場合は違約金として利用料の10%を支払う」
「会員資格喪失後、室内の残地物については施設利用者の承諾を得ずに当社が任意処分できる」
キャスターの小倉が「居住権が認められてないのに部屋を借りているの~?」と。
こんな酷な契約でも皆、やむを得ず借りているのだというのだが、法的にはどうなのか……。
被害者対策弁護団団長の宇都宮健児弁護士は「貧困層、低所得者層の法的無知に付け込んで違法な収益をあげている」と。
専門家によると、この業者がやっていることは借地借家法違反、器物損壊罪、消費者契約法違反、住居侵入罪などに該当すると指摘する。