<テレビウォッチ> 日本の科学者3人(うち1人の国籍は米国)がノーベル物理学賞を初めて同時受賞したのもチョー朗報だが、入浴中ひらめいた頭脳がノーベル賞受賞につながったのが何とも『うれしい~!』。
今(2008)年のノーベル物理学賞に輝いたのは、シカゴ大の南部陽一郎・名誉教授(87)、高エネルギー加速器研究機構の小林誠・名誉教授(64)、京都産業大の益川敏英教授(68)。
宇宙は何からできたのか? その根源となる謎に挑戦し、素粒子の分野で先駆的な理論を築いたのが授賞理由という。
説明は難しいので省くが、キャスターの小倉は「朝まで新聞見て考えたがさっぱり……」。タレントのデーブ・スペクターときたら「宇宙人がいるのかどうか知りたい」。
で、『とくダネ!』は、「(いまさら)うれしい~! なんて思わない」という益川教授に電話インタビュー。その中で「好奇心を持つことが大事。それと先輩や先生ではなく同年代の、同じくらいの知恵の人と議論すること……」など、貴重な話をしてくれた。
小倉が「ご感想はいかがですか?」
益川「私が欲しいなと言うのではなく、ノーベル委員会側に立って考えたら、過去の時系列から今年だと予測していました」
小倉「南部先生も受賞されましたが……」
益川「南部先生を仰ぎ見て育ってきました。我々より先に南部先生には受賞して頂きたいと思っていた。それがご一緒ということで光栄です」
佐々木アナ「子供のころ、物理にどういう興味を持って目指されたのですか?」
益川「親父のお陰です。(父親は)戦前は家具職人、戦後は菓子材料の砂糖を商っていましたが、少年時代に早稲田の通信教育を受講。しかし、小学校出ですから微分積分がよく分からず諦めたと言ってました」
「その勉強した知識を披歴したいのだが、女房や近所の人では相手にならず、子供をターゲットに一生懸命説明してくれた。その当時、小学生でしたが、数学や理科についてはませていましたね。国語は全くダメでしたが」
小倉「国語は大の苦手だったのですか?」
益川「ハイ、全くやる気がなかった」
小倉「でも、物理を理論的に考えていくためには、国語の能力もかなり高かったのでは……?」
益川「論理性ですね。言葉を正確に理解し、話せる能力は非常に重要です。たまたまうちには家具職人が5、6人いた。私は体が弱かったので外へ遊びに出してもらえなかった。で、幼稚園の子供が大人としか話をしなかった。そこで、きちっと話をする、論理的に話をすることを覚えたのだと思う」
佐々木恭子アナ「科学者を目指す子供たちに一言を……」
益川「子供というよりは周辺だと思うが……好奇心を持ってそれを大事にしていくような環境をつくってあげたいと思う。それは何だと思ったら、ずっと覚えていること。不思議なもので、その答えがいつか見つかる瞬間がある。そういうクセがつくことが大事」
「それから先輩や先生ではなく同年代の、同じくらいの知恵の子と議論をすること。そうすると自分と他との違った考え方に気づく。それは経験が違うから。そうすることで他人の経験まで所有することになり、幅の広い思考ができる人間に育っていける」。