<テレビウォッチ> 1990年代後半、巨人軍にチョ・ソンミンという韓国出身の投手がいた。
一時はエース級の活躍をし、整ったマスクと相まって人気も出、2000年には韓国のトップスターといわれたチェ・ジンシルと結婚、日韓のメディアを大いに賑わした。2人の子が生まれたが、2004年に離婚、その後も女優を続けていた。そのチェ・ジンシルがきのう(10月2日)、自殺した。享年39。母親に「世の中にうんざりした……なぜ苦しめるのか……」と言い残して。
番組が伝えるところでは、インターネット上の誹謗中傷に悩まされていたという。常に注目を浴びるスターへの妬み嫉みなのか、本人のこと、子どものこと、最後にはありもしない金の貸し借り話をでっちあげられて、それが引き金になったそうだ。
韓国におけるネットの書き込みはとにかく凄まじいらしい。昨(2007)年1月、やはり自ら命を絶った女優(26)も、ブログへの悪質な書き込みが原因といわれた。
ストレス解消のために書き込みをするという貿易会社社長(57)は、芸能人が自殺した際に「よくぞ死んだ。地獄へ行け」と書きこんだことを認めて、「天にも昇るような気がする。快感です」と明かす。
韓国では、ネットの匿名性が保証されていることも書き込みの悪質化に拍車をかけているようだ。学生風の男は「癪にさわることとかあると、内容と関係なく、悪口を書き込む。正当性とか理由なんてない」と話す。
大谷昭宏は、韓国では競争社会が激しく、集中的に憂さ晴らしをしがちだとして、「日本も格差社会といわれる中で同じような傾向がある」と言う。
木場弘子は、「ストレス発散で根拠のない悪口を書いているだけ。まともにとりあって命をなくすのはもったいない。幼い子が2人いる女優さんには、なんとか踏みとどまってほしかった」と惜しむ。
山口一臣の言うように「無視するしかない」が正解なのだろうが……。