<テレビウォッチ>きのう(9月29日)の麻生首相演説は、所信表明というよりは代表質問的なものであった。
伊藤惇夫(政治アナリスト)は「自民党がチャンピオンで民主党がチャレンジャーだと思っていたら立場が逆転したような感じ」と言い、「総選挙で民主党に勝つことが使命だという自己規定が軸になって、すべてを民主党との戦いに結びつける思いが非常に強い」とした。
三反園訓(テレ朝解説委員)は「対決モード一色。挑戦状を叩きつけた演説」と見る。
以下コメント陣の受け止め方――
大澤孝征(弁護士)「横綱相撲とはとうてい言えない。立ったらいきなり八そう飛びをした感じ。作戦的には、2つに1つ、自民か民主か、どっちかを選んでくれという小泉さんの手法をバックボーンにしているのかな、と思った」
若一光司(作家)「大与党が野党と同じ対応をしている。自らが、社会保障の具体的財源などを明らかにしていないのに、民主党には財源を示せと言っている。そのこっけいさに気がついていないところがこっけいだ」
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)「わかりやすくて、代表質問なら秀逸かもしれない」
室井佑月「小沢さんが、政権を握ったような調子で国づくりについて述べたりすればいいんじゃない」
三反園がまとめ的に、麻生の逆質問に小沢が答えなければ、それを口実に麻生が解散に打って出る、その思惑は承知の上で、かねて早期解散を主張してきた小沢が敢えて乗る、という出来レースもあり得る、などウラの見方を披歴。明日の代表質問で、小沢がどう答えるかがポイントだという。解散、総選挙の時期がどっちに転んでも、結果はあまり変わらないような気もするが……。