<テレビウォッチ>辞任した中山成彬・前国交相が朝ズバッにナマ出演した。「自分の心情を聞いていただくために」と神妙だが、反省の色はあまりない。にしても、失言なんてもんじゃない。
成田反対闘争を、「ごね得というか、戦後教育が悪かった」。
外国人観光客の誘致では、「日本は内向きな単一民族で」。
そして日教組には、「日教組の子どもは成績が悪くても先生になれる。だから大分は成績が悪い」。さらに「日本の教育のがんは日教組」「日教組をぶっ壊す」「民主党が政権をとったら大変なことになる」
麻生首相も、「発言としてきわめて不適切。関係の方々にお詫び申しあげる。任命責任はあるが、必然的に辞めていただく」とはっきりしていた。
スタジオには民主党の山岡賢次・国対委員長も出て、まずは成田問題から。この問題では1995年、当時の亀井静香大臣が農民に謝罪している。
与良正男が、「これを知らなかったのか」
中山前大臣は「いろいろあったことは知っている。成田だけじゃなくて、反対で公共工事が滞っていることをいいたかった。ごね得という言葉がわかりやすいと思って」
「大臣は、ごね得なんていってはいけない」(与良)
次は日教組。
山岡国対委員長が、「日教組の組織率は34%しかない。教育全体の問題であって、あなたはその担当大臣だった。思いこみを話してるだけで、因果関係はない。政治家として危険だ」。
これに「あるんですよ」と中山前大臣。「調べてあるから、わかるんです。ごく一部の過激な人たちが問題だ」
与良が、「それを証明したいから学力テストをやった。そのために年間60億円も出したといっていたが」
「予想していた通りの結果が出た」(中山)
TBS解説委員の杉尾秀哉が、「そんなわけないんですよ。組織率と学力とは関係ない」
中山前大臣は「組織率じゃないんです」
みのもんたが、「先生方じゃなくて、日教組という組織への思いが強く出ているような」と中山前大臣の肩をもつ。
山岡国対委員長は、「個人的な思いをいってるようだが、55年以来体制をつくってきたのは自民党だ」。
与良も、「自民党ですよ。なぜその責任を認めずに、日教組というのか。日教組が『おれたちそんなに力があったんだ』とびっくりしている」。
そして、単一民族発言。6月国会で、「アイヌを先住民族とすることを求める」決議が全会一致で採択されている。
中山前大臣は、「ああいういい方はしていない。観光について、日本は内向きじゃないのかと質問されて、同質の人間ばかりだというつもりでいった」と。さらに「言葉狩りばかりしていると、政治が活性化しません」と、どうやら反省の色なし。
末吉竹二郎が、「民主主義の原則の問題だ。人権は世界のテーマ。大臣だろうが一般市民だろうが、言ってはいけないことをいってしまった」。また「日教組は民主的、合法的な組織で、それを否定するのは、民主主義に反する」。
みのはまた、「日本人としては単一じゃないですか」と間抜けなことをいう。
みのは、JNNの調査を出した。20歳以上の男女1200人に聞いた結果では、「辞めて当然」が48%、「辞める必要がない」というのが、45%もあった。
中山前大臣は「電話鳴り続けて、辞める必要ないと」
与良は、「若い人の傾向はわかる。また、本音をいうのが受けるのもわかる。が、事実関係を踏まえないとダメだ」。
ここで、朝一番から募集したファクスの意見が出された。「非常識だ」「辞任は当然、議員も辞めろ」「教育は大事だ。中山議員はそれを思ってのこと」「日教組批判は同感だが、なぜ今なのかは素人でもわかる常識」
みのは、「麻生さんも、アルツハイマー失言がありましたねぇ」と、どうやらバランスをとろうと必死。
この日の「8時またぎ」の大ボードの7割くらいをこの問題が占めていたが、これだけで終わってしまった。吹っ飛んだ残りの話題は、小泉さんの後継問題だった。