「政策論争なき冒頭解散」 与党に有利か

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補正審議と支持率の綱渡り

   ここが微妙なところだ。民主党も、審議日程がきちんととれれば、補正予算審議に応じるとみられているが、ここで年金改ざんや事故米問題などをもちだされて長引くと、民主党の思うつぼ。またどんなボロが出るかわからないし、選挙にはかえってマイナスになりかねない。

   もうひとつは、内閣支持率だ。これが高く出れば、早期解散に傾く。逆に低くでれば党内は慎重になる。補正予算審議と内閣支持率の綱渡り。麻生首相は厳しい決断を迫られるわけだ。

   影山解説委員はここで、前々回の総選挙を引き合いに出した。小泉首相は安倍幹事長というサプライズを演出して解散したのだったが、結果は自民が議席を減らし、事実上の敗北だった。マニフェストを立てた民主党の政策論争に、有権者が耳を傾けた結果だった。このことから、政策論争なしで選挙に入った場合、国民がどんな審判を下すか。「リスクはもっぱら与党側が背負うことになるだろう」という。

   今度の選挙は、国民の1票が実質的に政権選択になるという珍しい選挙だ。国民の関心も高い。逆に有権者が問われる選挙でもある。マニフェスト選挙のあとの郵政選挙では、みごとに踊ってしまったのだから。

ヤンヤン

   *NHK「時論公論」(2008年9月24日放送)

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