「とどまるところ知らない」クレジットバブル
ところが、ここにAIGが参入。保証料を保険契約上の「保険料」に見立て、安い保証料でどんどん顧客を拡大していった。さらに資本力のないヘッジファンドまでが引き受け手側に参入し、保証料はどんどん下がっていった。
しかも「保証」の対象を通常の融資から社債、証券化商品にまで拡大していった。
「一方、銀行はいくら高リスクの融資をしてもCDSを介在して保険つなぎができるので、危険なところへもどんどん融資。とどまるところ知らないクレジットバブルが起きていた」のだという。
国松キャスターが「これからの怖さは?」という疑問に、同じく生出演した東大大学院教授の伊藤隆敏は次のように答えた。
「証券化ビジネスがルールを踏み外し、証券化ビジネスモデルとして立ち行かなくなった。転換期になるでしょう。最悪期は脱したと思いたいが、まだひと波乱もふた波乱もあるでしょうね……」
翻って見ると、米国の今回の金融危機は、かつての日本のバブル経済に似ている。ただ異なるのは、「鈍感」と揶揄された米政府がその後次々と打ち出した対応の早さ。
日本は、対応の遅れと政策ミスから「失われた10年」を招いた。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2008年9月22日放送)