「今日(9月19日)5人の総裁選候補者の方に出ていただきます。今、日本が直面している問題をどう考えているか、ズバリ聞きます」―今朝の『朝ズバッ!』は番組冒頭で、司会のみのが気炎を上げた。
汚染米問題で国民が怒り心頭状態の中で、今度は社会保険庁による組織ぐるみの厚生年金改ざん問題。一方、米国発の深刻な金融危機の広がりで日本経済に暗雲が立ち込めている。
そんな中で、10月3日解散、26日総選挙投開票の日程が固まってきたと報じられている。5人の候補者は一体何を発言するか興味津津だったが、結論を言うと、裏切られた~。
5人の候補者が登場したのは、番組後半の『8時またぎ』で。ところが、出演にあたって事前に打ち合わせがあったのだろう。番組冒頭のみのの気炎はその後サッパリで、候補者の発言は相変わらずの抽象論……
ちょっと驚いたのは、前宮城県知事の浅野史郎の「(候補者として)手を挙げてよかったと思いますか?」に対する答え。
「地方を回ったということは非常によかった。生の声を聞かせてもらい、主張に耳を傾けてくれた。そこで分かったことは格差が中央で見る以上に進んでおり、キメの細かさが不足していた」(石原候補)
「東京の目で政治を見てきました。地方を回って予想以上に弱っていることが……均衡ある発展とまではいかなくても、都市部と地方との格差を是正するという姿勢で政治をやらないと……」(与謝野候補)
格差拡大にいまさら気づくとは、一体何をしてきた、と言いたい。2人とも選挙区が東京とはいえ、いずれも大臣経験者のベテラン。
その気になれば地方の実情を知るチャンスはいくらであったはずだ。
最後に「全部ほったらかして解散ですか?」の問いに、明確に答えたのは与謝野候補と石破候補の2人だけ。
「『緊急』と銘打った以上は、補正予算を何とか実現し、中小企業の年末の不安だけは解消しておかないと」(与謝野候補)
「私もまったくその考えです。補正予算を通さないと。昨日は秋田に行きましたが、冬を前にガソリンだけじゃない灯油も高くなっています」(石破候補)
あとは、補正を出しても民主党が乗ってこないし……などと歯切れの悪い答えばかりだった。