「業者疑わずに検査」 農水省の「お気楽」性善説

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プレーヤーが審判といっしょでは見抜けない

   テレビの露出でおなじみになった三笠フーズの財務担当者も、積極的な買い付けを促したのは国からの働きかけだとし、「国の方も助かったんじゃないか」と話す。入札予定日を三笠の都合に合わせた農政事務所もあったそうだ。これでは、なれ合いといわれてもしかたない。こうして入手した「汚染米」を、三笠フーズは幾つかのペーパーカンパニーと仲介業者を介在させて「コメ・ロンダリング」し、多額の利益を得ていたのである。

   スタジオゲストの冬木勝仁・東北大学准教授は今回の事態を、「政府は本来、監督する立場なのに、事故米を含めた政府米の売却に関してはプレーヤーにもなる。プレーヤーが審判といっしょでは見抜けない」と解説する。

   国谷キャスターの「不正転売を防ぐには?」という問いかけに対して准教授は「1つは、政府が責任を持って、事故米の出荷段階で着色して粉砕すること。2つ目は表示の充実。買う側が産地、品種、精米年月日が確かめられるしくみをつくること。もう1つは、プレーヤーである農水省だけでは監督できないので、食品安全委員会のような第三者機関が監督に入る必要がある」と答えた。

   農水省という役所のモラルダウン、想像力の貧しさが浮き彫りになった番組内容で、それだけに、よけい今後の状況悪化が危惧される。

アレマ

   *NHKクローズアップ現代(2008年9月18日放送)

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