「娘妊娠」ペイリン起用のカケ
マケイン陣営が力を入れるのは「ヒラリー票」の取り込み。民主党の大統領候補指名を最後までオバマと争ったヒラリー・クリントンは1800万票を得たという。その支持者の中には「マケインに投票して抗議の意思を示す」と公言する女性もいる。こうした女性層の支持拡大の狙いもあってマケインが副大統領候補に抜擢したのがアラスカ州の女性知事、サラ・ペイリン(44)である。
ペイリンの起用が直ちに「ヒラリー票」獲得に結びつくか疑問だし、共和党大会の最中に、彼女の未婚の長女(17)が妊娠していたことが明らかになるなど、この人事はカケの要素を孕む。が、よかれあしかれ、民主党の副大統領候補に比べてサプライズ度で上回ることは確かだ。
「CHANGE」を唱える47才の若き黒人エリートが勝つのか、経験豊富な72才の「ベトナム戦の英雄」が制するのか。結果は約2か月後に判明する。先のPBS女性キャスターは「最後の最後までし烈な戦いになる」と予想し、「どちらが選ばれてもアメリカの新たな歴史をつくることになる。史上初のアフリカ系大統領か、最初の女性副大統領か」と言った。
国谷キャスターによると、勝敗を分けるポイントは無党派層の動向らしい。無党派が何%くらいを占めるか教えてほしいところだった。
たまたま日本では自民党の総裁選、民主党の代表選が現在進行形で、どうしても比較してしまう。こちらではドラマチックな展開も、「新たな歴史」もムリだろう、悔しいけれど。
アレマ
* NHKクローズアップ現代(2008年9月4日放送)