番組が農業をテーマに本会議を開くにあたり、迎えたゲストはテレビタレント兼牧場経営主の田中義剛だった。北海道の花畑牧場は「生キャラメル」がブレイク。「どうせタレント商売」との見方を今のところはねのけて、年商30億円を売り上げる大繁盛ぶりだという。
そんな気鋭の農業経営者は「農家に転職したら田んぼ・畑つきの1戸建てを国がプレゼントします」なる法案を提出して、タレント時代と変わらぬ土臭く、泥臭い訛で説明しはじめる。
「日本の食料自給率は40パー。最悪でス」。農業従事者の数は15年間で300万人減って、556万人。北海道の酪農家も2割減。今日は聞き役と茶々に徹する太田光総理(爆笑問題)は「ええ、信じられないよ!」と、「わざとらしい(田中裕二)」合いの手を入れてヨシタケに応える。
農家がどんどん減る一方で、若い人、リタイヤした人で農業に関心を持つ人の数は上昇傾向にあるのだという。「ブッシュ(大統領)もそうだけど、農業をやることはステータス。日本も農業に対する意識を変えてほしい!」。そんな願いを持つヨシタケは「一戸建てプレゼント」政策に限らず、今後の農業のための改革提言を大いに語りだすのだった。
曰く、農業の新規参入に厳しい農地法を緩和せよ。農作物を安く買いたたいている国やJAにも問題がある。「牛乳を売っても1ルットル75円。日本は相場が安すぎます!」(ヨシタケ)。末端の農家に責任を押しつけるばかりのJAに「給料が下がった人はいるんですか?」
ヨシタケと農家仲間たちの不満と要望は、国の補助金農政、猫の目政策、減反政策などにまで広がり、この番組的には持てあまし気味になって久しいところで、ソーリはまとめに入り、謙虚に振り返った。「今日はちょっと難しかったです。話がちょっと分からないところがあって」
しかし、そこはさすがのソーリ。難しい問題に対しても、構造的にしっかりと理解していたようだ。それによれば、農業には「(ヨシタケと違って)工夫しないまま来ちゃった人たちがいて、その上にJAみたいのがいて『お前ら守るぞ』」という構図があるらしい。この業界、懐かしの護送船団方式がいまだに健在なのである。
さらにその上には「『アメリカから(農作物を)輸入しなきゃいけないから、お前ら(農家は)こうしろ』と指図する国の都合も乗っかって、とても複雑な状況」なのだそうだ。カットされた部分が長かったのか、放送内容とくらべると、なかなかユニークなまとめ方ではあった。
なお法案は15対5で可決されたが、これは近頃には珍しい大差での可決だった。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)