「孤独だった」研究者の悩み「解決法」

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   オリンピックのため2週間ぶりの放送となった今回の「プロフェッショナル 仕事の流儀」。ゲストは科学者で慶應義塾大学・理工学部教授の小池康博。

   彼の専門は『光』だ。光の研究と言ってもピンと来ないかもしれない。しかし光の研究の成果を日々我々は利用している。ご覧のこの文章も光ファイバーを通ってパソコンにやってきたかもしれないし、これを表示している液晶のバックライトも光の技術を応用したもの。彼はそれらの研究の第一人者であり"ノーベル賞に近い男"と言われている。

   彼の研究で画期的なものの1つはプラスチック製光ファイバーを実用化させたこと。光ファイバーケーブルは一般にガラスでできており、折り曲げに弱い。そのため屋内の配線に光ファイバーを使うことはできなかった。しかしプラスチック製は丈夫で自在に折り曲げることができる。家の中まで光ファイバーをひけるようになり、転送速度も向上する。

   ここまでくるのに挫折もあった。光ファイバーケーブル開発の初期、彼のプラスチック製の開発が行き詰まり、結局ガラス製に先を越された。プラスチック製の研究は見向きもされなくなった。

   「孤独感みたいなものは無かったですか」と、司会の住吉美希。「そりゃあ孤独ですよ。だれも助けてくれない。土曜日だけはジャズのライブに行くって決めて、悩んでいたことを自分なりにそこで解決しようとしていました」。研究が完成したときのことは昨日のことのように覚えているという。「あぁよかったと思う前に、次のことを考えているんです」

   物事が行き詰まると深く考えこむ。だがそれが溶ける瞬間はリラックスしているときだったりする。そこから芋づる式にあれこれアイデアが浮かび出すものだ。その体験は本当に気持ちがいいし、きっとそれがモノを生み出す原動力にもなるのだろう。日頃から何かを考える癖は、僕も持ち続けたいものだ。

慶応大学 がくちゃん

   *NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2008年8月26日放送)

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