☆5つです 恐怖と緊張感に酔う(ダークナイト)

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TM & (C) DC Comics (C) 2008 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
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   <ダークナイト>1980年代以降に4度映画化されたバットマンシリーズを、クリストファー・ノーラン監督は「バットマン・ビギンズ」(2005)でそれまでの路線や演出を一新した。「ダークナイト」はその続編にあたる。

   しかし今回はタイトルからメインであるはずの"バットマン"の名が消えた。今までの作品とは明らかに違うことをタイトルからすでに匂わせており、単なるアメコミが原作のヒーロー映画だと思って見ると意表を突かれる。

   そもそもバットマンが正統派ヒーローとして描かれていないのがおもしろい。前作で街を守るために立ち上がったが、しかし法律では裁けない犯罪者に対しオレ流の制裁を加えるバットマンは、人々からすると今では「ならず者の自警団」でしかない。おまけに皮肉にも彼なりの正義を貫けば、バットマンに対抗するかのような悪=ジョーカーが現れる。

   この映画での正義と悪は、決して同じ方向を向くことはないけれど、切っても切れない関係にある。ジョーカーは理由なき犯罪を次々に起こし、ただ街や人々が狂乱と化していくサマを眺めていたいだけの異常者だ。そのために自分と同じような、ある意味バケモノ染みたバットマンを演出上必要とし、またジョーカーのような輩がいる限りバットマンもやってくる。2人の正義と悪は、世の中全てのことに共通してあてはまるだろう。

   そして本作は大衆向け娯楽作であるものの、極上のクライムサスペンスのようだ。銀行襲撃に始まり、マフィアを手玉にとっての罪なき人々への脅迫。テロのような破壊攻撃。ゴッサムシティにジョーカーが現れてからというもの、いつどこで何の恐怖が待っているか分からない。だから映画の中の人々同様、観客も恐怖と緊張感を抱えてスクリーンを眺めなければならない。長い上映時間ではあるが、最後まで決して飽きることのない濃い内容だ。エンターテイメント性とドラマ、ストーリーと全てがバランスよく分散されている。

   悪が蔓延する世の中でバットマンが下した決断、そしてタイトルの「ダークナイト」の意味をぜひ劇場で知ってほしい。

ジャナ専 巴麻衣

   オススメ度:☆☆☆☆☆


日本ジャーナリスト専門学校プロフィール

日本ジャーナリスト専門学校
通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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