8月28日から29日にかけて東海から関東地方に猛烈なゲリラ豪雨が多発し、大きな被害をもたらした。
ゲリラ豪雨の発生メカニズムについて最新の研究成果をもとに迫った。
「日本の空に何が?」
「いったい日本の空に何が起きているのでしょう?」と国谷キャスターが訝るゲリラ豪雨の特徴が降雨量のすごさ。
愛知県岡崎市で29日深夜2時までの1時間に146ミリという想像を絶する降雨量を記録、市内の6河川が氾濫した。気象庁によると、全国の39地点で今夏、1時間当たりの最大降雨量の記録を更新したという。
気象庁気象研究所の楠昌司は「普段は日本海の北の上空を東西に流れるジェット気流が、今夏は日本列島をまたぐように大きく南に蛇行し、北からの冷たい空気が列島に入り込みやすい状態になっている。そこへ温かい湿った空気が潜り込み、強い上昇気流が起き、強い雨を降らせる状況にある」という。
これを裏付けているのが、下水道工事中の作業員5人が濁流に流され亡くなった東京・雑司ヶ谷のゲリラ豪雨(8月5日)。このときの豪雨のメカニズムを研究している防災科学技術研究所の真木真之によると、この日、東京上空には9000メートルに達する巨大な積乱雲が発生していたという。
とくに、真木が注目したのは「風」。例年の夏にはあまり見られない冷たい東風が吹く一方、大量の湿気を含んだ南からの風がぶつかり合い上昇気流となって積乱雲を作りゲリラ豪雨をもたらしたという。
真木は、温度差のある2つの風がぶつかり合った場所がちょうど雑司ヶ谷付近とみている。