<テレビウォッチ>アフガニスタンで農業指導などにあたっていたNGOの青年が誘拐され、遺体で発見された。何ともむごい。怒りが湧く。
死亡が確認された(外務省発表)のは伊藤和也さん(31)で、おととい(8月26日)ジャララバードから農地へ向かう途中、武装した4人の男に拉致された。捜索の地元警察と銃撃戦があり、その際逮捕した1人の供述から、別の場所できのう遺体を発見したという。
武装グループが、タリバーンなのかいわゆる盗賊の類なのか、くわしい経緯はわからないが、このところアフガニスタンの治安は急激に悪化していた。とくに外国人を敵視する傾向が強まっていたため、援助関係でも、スタッフを国外退去させるところが出ていた矢先だった。
伊藤さんが所属するNGO「ペシャワール会」は、井戸掘り、農業・医療支援などで20年もの実績があり、地元民の信頼も得ていた。
伊藤さんは静岡出身で、5年前からアフガンに入り、さつまいも、茶葉の栽培指導や水路の建設にあたっていた。現地語も覚えて現地の人と同じ身なりで親しまれていたという。事実、誘拐されたあと、付近の住民が総掛かりで捜索にあたっていた。
それだけに、同会の衝撃も大きく、福元満治事務局長は、「彼の場合は使命感ではなく、住民になった感じだった」と惜しむ。また、父親の正之さんも、「家族みんなで、『がんばったね』といってやりたい」というのが、精一杯だった。
鳥越俊太郎は、「最近のニュースに登場する若者には違和感を感ずることが多いが、こういう若い人がいるんだと、感動した」といった。「アメリカが戦争を始めたときより悪くなっているんだろうね」
赤江珠緒も、「1000人をこえる村人が捜したといいます。残念でなりません」
まったくだ。いまはただ、伊藤さんの勇気と情熱を誇りたい。それにしても、やったのはどこのどいつだ。