「情けない試合だったなあ」。観戦しに行くと必ず勝つ小倉智昭のパワーも、北京五輪の野球代表には通用しなかった。準決勝、3位決定戦ともに敗れ、"惨敗"(番組のキャプション)の星野ジャパンに、小倉も目を潤ませていた。
「選手起用でちょっとわからなかったのは――」。全世界に向けて、初歩的で致命的なエラーを3つも披露した左翼手、埼玉西武ライオンズのG.G.佐藤である。
ライオンズファンの小倉が、恨めしそうな目つきで何かを含んだように言うところでは、G.G.は「打撃中心の選手で、(打撃専門の)DHか、守るとしたらライトなんですよね」。なのにあの人はなぜ、と言いたげである。
ゲストの野球解説者の江本孟紀は、より率直であった。「星野さんは現場、実戦から長く遠ざかっていた。実際、パリーグの試合なんてほとんど見てないでしょ。G.G.のライト起用もそうだけど、カンの悪さが出ている」。星野を代表監督にしたのが間違いで、現場の監督にやらせるべきだったとの意見である。
約半年後にはWBCという野球の国際大会があるが、江本は「(星野監督は)ないでしょ」と吐き捨てるように言った。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト