「ねぇねぇ、仕事で芸能人とかにも会うんでしょ?」
「まぁそうだけど」
「あのさぁ、女優とかモデルとかがさぁ、プロデューサーとか偉い人と寝て仕事を取るって本当なの?」
「さぁ~。どうだかね~」
放送業界に入ってから、友人や知り合いに何度この質問をされただろう? 以前は、「○○さんって、整形なんでしょ」という質問も数多く受けたが、最近はネットが発達したことで、あまり質問されなくなった。
しかし、こと"枕営業"に関する質問は、今でも尽きない。
芸能界の都市伝説というか、この手の話は誰もが聞きたがることの1つらしい。
「ねぇねぇ、○○ちゃん。事務所のためにもさ、我慢してホテルにちょっと行ってきてよ! お願いだからさ」
「えっ、でも……私、そんなことするために、女優になったわけじゃありません!」。誰もいないような部屋の片隅。マネージャーさんに諭されて、涙する女優さん。
こ~んなシーン、未だかつて見たことも聞いたこともない。
情報社会の今、"枕営業"は五輪出場以上に難しいのかもしれない。噂が立つ、誰かに写真を撮られる……ケータイの写メも立派な報道写真となる今、情報が漏れたら、お互いが命取りになる。まぁ、1980年代やバブル期には、タレントに手を出す制作人も多かったらしいが……
では、こっちの業界はどうだろうか?
男の憧れの職場!? AV業界。
私の友人に、以前エロ雑誌の編集をしていた男性がいる。編集とはいえ、撮影用にローションを作ったり、水着の裏地をハサミで切り取ったり、エロ度をアップさせる雑用などもしていたらしい。
このアダルト業界こそ、"枕営業"がありそうではないかっ!
素人同然、興味津津で聞いてみた。
「んなアホな。彼女たちはセックスで稼いでいるから、そんなタダでセックスなんて、絶対しないっすよ」彼曰く、セックス=ビジネスなので、彼女たちとセックスしようと思ったら、仕事以上にお金が発生することになりかねないんだそうだ。AV女優の事務所も、そこはガードが固いらしい。
「だってぇ~、仕事関係の人と、エッチなんてバカらしくてできな~い。これで稼いでんだし、タダでエッチはムリムリ。それに、プライベートでもエッチしたいって思わなくなってきてんだよね~」
とは、あるAV女優さんから彼が言われた話。とほほ。
なんでも仕事となると、大変だ。
しかし、"枕営業"という単語があるぐらいだから、裏で脈々と受け継がれてきた営業方法なのかもしれないな。さて、この単語、未来にも残りますやら?