(C) 2008「同窓会」製作委員会
<同窓会>映画プロデューサーの南克之は、仕事は順調、おまけに年下の女優と不倫関係にあり、高校時代の恋を実らせて結婚した妻の雪ともあっさり離婚が成立した。しかし、それを知った地元・長崎の同級生達は激怒。そんな中、克之は雪が重い病にかかって余命が短いことを知る。
離婚から始まった夫婦の再生を描いたこの作品は、現在と高校時代の回想シーンとで構成されている。回想シーンでは克之が雪に片思いしていた高校時代から2人の馴れ初め、そして現在につながる複線などが映される。花火を見て高校のときの夏祭りを回想したり、お寺を見てかつての恋敵を思い出したり、故郷に帰った主人公が何かのきっかけで過去を振り返るよう演出してあるので、場面の切り替えも自然で、共感も覚える。
かつての同級生達との方言での会話など、誰しもが地元や同級生を懐かしく思ってしまいそうだ。
雪への一途な思いを抱いた甘酸っぱい高校時代と、東京で揉まれて、すっかり大人になってしまった現在の克之は対照的だが、雪のために同窓会を開こうと必死に奔走する内に、過去と現在の克之が重なっていく。
しかし、映画の冒頭に出てくる「勘違いは人生最高の悲劇であり喜劇である」の通り、事態は思わぬ結末を迎える。難解さや、ややこしさがない映画なので、勘のいい人なら、途中でオチが分かってしまうかもしれない。だが、笑いや感動をストレートに表現している映画なので安心して見られるし、見終わった後には心が温かくなっている。そして、見た人はきっと同窓会に行きたくなるだろう。
ジャナ専 ぷー(JJC漫画研究会部長)
オススメ度:☆☆☆☆