「金」北島に学ぶ 自分の追い込み方

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   <テレビウォッチ>平泳ぎ100メートル2連覇。しかも58秒台の世界記録だ。日本中が湧いた北島康介の快挙。だが、今回すぐに飛び出たのは「超気持ちいい」の言葉ではなく、涙だった。

   インタビューにタオルで顔をおおって、声が出ない。涙をぬぐってやっと、「はい、うれしいです」。さらに間をおいて、「すいません、何もいえねぇ」。

   インタビューアーはなおも言葉を求める、「応援してくれる人がたくさんいたんで、本当に金メダルとれてよかった」

   --世界記録ですよ。

   「記録も優勝もできたんで、満足です」

   --アテネでは「気持ちいい」といったが‥‥

   「アテネより気持ちいいです」

   二宮清純が、「沈黙の方がはるかに雄弁ですね。4年間の思いがあったんでしょう」

   室井佑月が、「まだ若いのに、大変なプレッシャーと闘ってきたんだなと、こっちもウッときちゃう」

   涙にはわけがあった。アテネで頂点に立ったあと、モチベーションを失い故障と挫折があった。特にライバルのハンセンとの対決には負け続け、2年前にハンセンが世界新を出した時には、2秒以上も置いて行かれた。同じ年の日本選手権では4位、表彰台にも立てなかった。

   そこからの新しい泳法への挑戦が、今回の結果になった。技術的なことはすでに伝えられているが、例のスピード社製の水着の騒ぎで、「水着が泳ぐわけじゃない」といっていたのは、自信の表れでもあった。

   スポーツキャスターの田中雅美(シドニーで銅メダル)が「金をとったあと、モチベーションを保つのはむずかしい。が、彼は集中力がすごい。常に自分を進化させたいという気持ちが」という。

   二宮も、「プレッシャーでは、追い込まれるタイプもいるが、彼は追い込めるタイプ。ライバルを栄養にできる」

   そういえば、今大会前に「金しか頭にないんで、とれなかったら帰ってきませんから」とまでいって、自分を追い込んでいた。その追い込みが、次の200メートルでも生きるのだろう。きょうが予選である。

文   ヤンヤン
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