<テレビウォッチ> 「初出場でメダリストですよ」「いえ、金以外は同じです」と銅に終わった悔しさを隠さない柔道52キロ級の中村美里(19)に、何年か前の田村(谷)亮子の姿が重なる。田村が金をとったのは3度目の五輪だった。
その田村は谷と姓がかわり、3連覇と「ママでも金」の夢破れて、きのう(8月10日)の会見で、「いまいちばんしたいのは、息子が高熱をだしているので、早く日本の病院へ連れて行くこと」、さらに「また金メダルをとれる練習が確実にできたときに、(次の)目標を設定したい」といった。
赤江珠緒が「5回の出場ですよ」
小木逸平は、「女子の金の最年長記録は自分の28歳。その自分を超えなくてはならないというのがある」
松尾貴史は、「自分で設定するという壮絶な葛藤は想像できない」といった。
金メダルとは、それほどまでのものなのか。その思いは、一般の人間にはわからない。
今回五輪で、日本選手初の金、アテネについで2連覇を達成した柔道66キロ級の内柴正人が、中村美里とともに、北京のスタジオに現れた。
優勝を決めた後の会場で、観客席の息子に向かって「輝(ひかる)」と大声で叫んだ内柴は、「家族にはまだ会ってません。スケジュールがなかなか」。アテネの金以後の長いスランプ。昨2007年の世界選手権では代表からももれ、引退を考えもしたという。にもかかわらず、ここにいる。「妻と子どものために」という。
一方の中村。赤江が「くやしいですか」というのに「くやしいです」「緊張もなかったです」と言葉少な。
小木が、「人前でしゃべるの苦手? 会社でも電話に出ないといいますが」
「出ないようにしてます」と中村。(笑い)
この日も、水泳の北島康介が100メートルで金メダルをとった。選手によってメダルの意味も違うのだろうが、ひとつだけ確かなこと。「オリンピックはメダリストだけのもの。4位以下はビリもいっしょ」。ちょっときついかな。でも、その責任の大半は、メディアにある。