<テレビウォッチ> 「エンタメ新聞」は、上宮菜々子が「ガラガラぽん」とルーレットをまわす、あまり趣味の良くない仕掛けで芸能ニュースを新聞から拾うコーナー。とりあげたことがないのだが、きょうは文句なしの1本があった。
きのう(8月7日)都内で行われた漫画家赤塚不二夫さんの葬儀・告別式で、タモリが読み上げた弔辞だ。テレビは上手に中身をつまむ。
「私がお笑いの世界を目指して、九州から上京して、歌舞伎町の裏の小さなバーで、ライブみたいなことをやっていたときに、あなたは突然私の眼前に現れました」
「私はあなたに生前お世話になりながら、ひと言もお礼を言ったことがありません。しかしいまお礼を言わさしていただきます」
「赤塚先生本当にお世話になりました。ありがとうございました。私もあなたの数多くの作品のひとつです。合掌」
最後の一言が光る。タモリという男は、ただの芸人じゃない。
実はこの弔辞、8分間にもなる長いものだった。そして驚いたことに、読んでいると見えた弔辞はどうやら白紙。思いのたけをナマでぶつけたものらしい。
スタジオの面々が口を開くかと思ったのだが、そのまま次の「ガラガラぽん」に進んでしまった。
弔辞には、ほかにもいい言葉が並ぶ。
「あなたは生活すべてがギャグでした」「ギャグによって物事を無化していったのです」「あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです」「この考えをあなたは見事にひとことで言い表してます。すなわち、『これでいいのだ』と」「人生で初めて読む弔辞があなたへのものとは、夢想だにしませんでした」
日刊スポーツに弔辞全文が出ていた。一読をお勧めする。