<テレビウォッチ> 自民党の麻生太郎幹事長がまたやった。おととい(8月4日)幹事長就任で挨拶に訪れた江田参院議長に、「ドイツだって、ナチスに一度やらせてみようとしてああなった」と。まあ、前後の脈絡はあるにしても、言うにことかいて、の感が強い。
民主党の鳩山幹事長は早速、「民主党をナチスになぞらえた、すくなくともそう聞こえる暴言は撤回してもらいたい」と、かみついた。麻生幹事長は、「参院で審議が行われないのは、いかがなものかということ。民主党をナチスになぞらえるつもりはありません」
もともと口が軽いというのか、過去にもいろいろあった。
・2003年5月に東大での講演で、「創氏改名は、韓国の人が求めたものだ」
・07年7月、「(日中のコメの値段の差について)アルツハイマーの人でもわかる」
・今年2月、ギョーザ事件を受けて、「農協は中国に感謝せにゃいかんよ」
最後のものなんかは一種の皮肉だから、「エッ」と思う一方で、「そうだよな」というものも含んではいる。政治家特有のこうした物言いは、一方で人気の元でもある。が、この人の場合は、ときどき踏み外す。現に、前の2つの発言では、謝罪している。
赤江珠緒が、「言葉は人柄を表すといいますよね」
寺脇研が受けて、「その通り。次の総理に一番近いといわれる人の発言で、ナチスやアルツハイマー発言よりも、あの創氏改名発言は、本当にそう思ってる。それから、日本は単一民族・単一文化の国だといってるけれど、国民がそれを支持するかどうか。発言をきちっと聞いて考えてほしい」
落合恵子は、「言葉は、どう生きてきたか、どう生きていくかの道しるべですから、しっかり聞きたい」
萩谷麻衣子は、「ナチス発言はホロコーストを思い起こさせる。民主党を支持する人たちを侮辱している」
だが、鳥越俊太郎は発言せず。
政治家の言葉がどんどん軽くなっている。小泉さんもそうだったし、よく踏み外した。が、あの人は、謝りもしなかった。何が違うのかな。