ロボット万歳 ちょっと待った

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   <ニュース通信簿>従来の産業用ロボットから、今や生活や医療、福祉など身近な存在になりつつあるロボット。「2010年には3兆円市場に拡大」(日本ロボット工業会)すると予測されている。

   トヨタ自動車が先週8月1日に発表した立ち乗り型の移動支援ロボットは、空港やショピングセンターなど広い場所での人の移動手段として、実用化も近そうだ。

「安全性の確立が必要」

   片手で簡単に持ち運びできるこのロボットの時速は、人の歩行よりやや早い最大6キロ。重心を移動する時の体の姿勢をセンサーが検知し、制御することで、安定して2輪走行する。

   上り坂もバランスを崩すことなく進み、下り坂で体が前のめりになってもロボットのタイヤが前に進み転倒を防ぐという。番組では触れなかったが、動力源はガソリンではなく環境にやさしい電動式だ。

   一方、2足歩行ロボット『P2』(後の『ASIMO』)でロボット新時代の先陣を切ったホンダも、人の歩行を助ける歩行支援装置を開発した。

   その仕組みは、骨盤の両側につけたセンサーが足の微妙な動きを検知し、膝の裏側を支える装置が足を前に押し出して歩行を助けてくれる。『ASIMO』の開発で得たデータが発想の原点という。

   番組では、60歳から70歳代の人に実際に装置をつけて歩いてもらった。すると「なるほど、自分の意志でなくても進んでいく」「楽だ。腰痛でもOKだネ~」と、しきりに感心。

   トヨタ自動車は「より身近な生活手段になると見て、自動車に次ぐ中核事業に育てたい」。またホンダでは「まず、医療のリハビリテーションで使ってもらいたいと考えている」とか。

   日進月歩のロボット技術。とくに日本の全ロボット稼働台数は世界の約半数を占め、世界に勝てる数少ない技術だ。ただ、水を差すわけではないが、技術ばかりが喧伝され、その安全性についてはあまり言及されていない。

   以前、ものづくりの現場でロボットが暴れ出し、大怪我をするケースがあるという話を聞いたことがある。こうした移動支援ロボットや歩行支援ロボットが、動きが急に速くなったり、止まらなかったりなどの事故がないとは言い切れない。

   番組でもこの点に触れた欲しかったが、キャスターの田口五朗も同じ思いだったのか、最後に「こうしたロボットが実用化していくためには安全性が重要だ。事故が起きないよう試験を繰り返し、安全性を確立する必要がある。それと法整備も必要だ」とコメント。

   このコメントがないと、単なる自動車メーカーのロボット開発のPRに過ぎなかった。

モンブラン

   * NHKニュースウォッチ9(2008年8月4日放送)

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